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繰り上げ返済は早いほどおトク~購入後も支払い負担は軽減できる~

繰り上げ返済は早いほどおトク
では、繰り上げ返済をすることによって、どの程度の利息削減効果があるのでしょうか。

利息削減効果

たとえば、3000万円を借入期間30年、金利2.3%(全期間固定)、元利均等払い、ボーナス払いなしで借りた場合、毎月の返済額は11万5440円、総返済額は約4156万円となります。このケースで、3年後に100万円の繰り上げ返済を期間短縮型で行ったとすると、返済期間は1年4カ月短くなり、利息の削減効果は約84万円にも達します。

これに対し、同じように3年後に100万円の繰り上げ返済を返済額短縮型で行ったとすると、返済期間は変わらないで毎月の返済額が4100円少なくなりますが、利息の削減効果は約34万円にとどまります。このように、同じ100万円の繰り上げ返済を行っても、利息の削減効果という点では期間短縮型の方が圧倒的に有利となります。

また、同じ100万円で期間短縮型の繰り上げ返済をする場合でも、できるだけ早い段階で行った方が利息の削減効果が大きくなり、おトク度が増します。これは、期間短縮型の仕組みを示した下の図でわかるように、返済開始の時期に近いほど毎月の返済額の中に占める利息部分の比率が大きく、それだけ繰り上げ返済によってカットされる利息が多くなるからです。

繰り上げ返済_期間短縮型

元本部分と利息部分の割合

では、実際の数字で毎月の返済額に占める元本部分と利息部分の割合がどう変化していくのか見てみましょう。

先ほどと同じく、3000万円を借入期間30年、金利2.3%(全期間固定)、元利均等払い、ボーナス払いなしで借りた場合を例にとります。下の表のように、全期間固定金利なので、毎月の返済額は返済開始から何年経とうが11万5440円で変わりません。ところが、返済額の内訳を見ると、返済を開始した最初の月は元金5万7940円、利息5万7500円であったものが、3年後の36回目には元金が6万1956円に増加、利息は5万3484に減少。さらに20年後の240回目には、元金が9万1565円まで増加する一方、利息は2万3875円にまで縮小してきます。

毎月の返済額の内訳
(借入額3000万円、期間30年、金利2.3%、元利均等)
返済回 返済額 元金 利息
1回目 115,440 57,940 57,500
36回目(3年後) 115,440 61,956 53,484
240回目(20年後) 115,440 91,565 23,875

このため、返済開始から3年後に100万円の繰り上げ返済を行えば、返済期間が1年4カ月短縮し、支払い利息が約84万円カットできるのに対し、20年後に100万円の繰り上げ返済を行った場合だと、返済期間の短縮が11カ月、支払い利息の削減額が約25万円にとどまることになります。同じ100万円の繰り上げ返済でもこれだけの差が出てくるので、がんばってできるだけ早く繰り上げ返済を行うのが絶対おトクと言えます。

ただ、いくら早めの繰り上げ返済がいいといっても、返済によって生活に支障が出るようだと逆効果です。返済に充てるのはあくまでも余裕資金にします。また、返済開始から遅い時期の繰り上げ返済であっても、メリットは十分あります。使う予定のないお金があれば、繰り上げ返済に回すべきです。預金して得られる利息よりも、繰り上げ返済してカットできる支払い利息の方が間違いなく大きいからです。

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