家みつ

「目が回る!?傾いた賃貸アパート」~こんな訳あり物件に住んでました~

目が回る!?傾いた賃貸アパート

訳あり物件の体験談

  • 体験者
  • 山梨県在住
  • 男性
  • 50代
その物件の所在地はどこですか?
岩手県盛岡市です。
その物件に住み始めたのはいつごろですか?
私が大学3年~4年の時なので、もう30年近く前の話です。
家賃は相場と比べてどのくらい違いましたか?
先輩と二人で住んでいました。傾いた一軒家のアパートですから、格安でした。
住む前に訳あり物件だと知っていましたか?
まったく知りませんでした。
どういったきっかけで訳あり物件であることを知ったのですか?
もともと先輩が、二人で住んでおり、ひとりが転居したところで、私が誘われました。そんなわけで、もともと訳ありなのは知っていました。
何故訳あり物件と知っていて住んだのですか?
何といっても、安かったからです。ほとんど家にはいませんでしたし、「帰って寝るだけ」みたいな感じでもありましたから、安いに越したことはありませんでした。
その物件が訳あり物件になった理由は何ですか?
先輩が住む前からだったので理由はわかりません。古いアパートでしたし、今の時代であれば傾きが起きた時点で改修か取り壊しだったと思います。

あなたがその物件で体験した出来事を教えて下さい

大学の研究室の先輩がルームメイトを探していました。それまで一緒だった人が、卒業で一人になってしまうことになったからです。私は、学校やサークルに近いアパートに移りたいと以前から考えていましたので、また、親しくしてもらっている先輩からの誘いだったので、まずは下見に行こうという事になりました。
アパートに入ってみると、なんだか足元がおぼつかない感じがしました。ドアの開け閉めも、開ける時には重くて、離すと「バン!」と勢いよく閉まる。「何だか変だ」とすぐに感じました。
テーブルで先輩と差し向かいになると、「このアパート、傾いてるんだよ」と先輩が笑いながら話してくれました。そういいながら、缶コーラを床に置くと、一方向に「コロコロ」と」転がっていきます。
部屋によっては窓枠がゆるゆるになっていて、風は吹くとがたがた音をたてました。違う窓は、硬くて開け閉めが大変でした。幸い、排水は都合のよい方に傾いていたので、それだけは問題なく済んでいました。
実態を知ってから、「どうしようかな?」と少し迷いましたが、逆にこういうアパートに住むことは、今しかできないだろうという事を考えて、先輩に「同居」をお願いしました。
注意しなくてはいけないことは、前述したようにドアの開け閉めでした。開ける時には「持ち上げる」感覚です。ですから閉める時には、下す感覚でいないと「バーン」と勢いよく閉まってしまいます。
部屋を歩いている時も、しばらくは目が回る感覚がしました。

今になって思うと、もう味わえない感覚ばかりでした。値段が安かったので、2年間住みましたが、我々が出て行ってからは、多分取り壊されたのではないかと思います。改修するには、築年数がかなりのものでしたし、建て替えしかないのではないかと思います。今の時代では、そういうアパートが存在していたこと自体、信じられないことです。だからこそ、とても思い出深いアパートです。
先輩との年賀状のやり取りでも、アパートの話題を必ず書くようにしています。

最後に、今後この訳あり物件に住む方へのメッセージをお願いします
現在は私が住んでいたような「傾いたアパート」はもうないと思いますが、訳あり部分を楽しんでしまうつもりであれば貴重な体験になるかも知れません。

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