不動産の直接買い取りのメリット・デメリット
不動産の売却方法の一つに、不動産会社に直接不動産を買取してもらう方法があります。不動産会社に直接買い取りしてもらえれば、面倒な売却手続きもしなくて済み、便利なように思えますが、実際にはどうなのでしょうか?今回は不動産の直接買い取りのメリットとデメリットについてご紹介します。
もくじ
直接買い取りによる売却する側(=あなた)のメリット・デメリット
不動産の売却方法には、不動産会社に仲介してもらい、個人の買主を一般的な売却と、不動産会社に直接買い取りしてもらう方法があります。
一般的な売却には、複数の業者に一度に依頼できる一般媒介契約と、一つの業者と専任媒介契約書で契約を結ぶ専任媒介契約、さらに自己発見取引を禁止する専属全に媒介契約の3つがあります。これらの媒介契約と比較して、直接買い取りにはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか?
直接買い取りによる売却する側のメリット
直接買い取りは、すぐに現金化できる
直接買い取りは、直接不動産会社と条件の交渉をするので、条件が整えばすぐに現金化することができます。一般の売却だと購入希望者があらわれるまで待つ必要があり、場合によっては数年かかる可能性もあります。
瑕疵担保責任を免除できる
中古物件を売却した場合、一般には瑕疵担保責任を負う必要があります。瑕疵担保責任とは、売却した物件に何らかの欠陥があった場合に修繕等をしなければならない責任のことです。業者による買取の場合この瑕疵担保責任は免除されます。
物件の内覧等面倒な手続きをしなくても良い
一般の売却の場合、購入希望者の内覧等に対応する必要があります。またそれにあたって清掃やリフォームなど必要な手間や費用を負担する必要がなく、チラシ等への掲載もないため近所に知られることなく売却の手続きを進めることができます。
直接買い取りによるデメリット
直接買い取りは、一般の売却と比べると金額が安くなる
直接買い取りは、一般の売却と比べると売却価格が安くなります。業者は買い取った不動産に手を加えて売却し、利益を得る目的で買い取るため、一般的には相場の7割~8割程度となることが多いです。また、一般の売却で売りづらい物件の直接買い取りの場合相場の3割~4割程度となることもあります。
直接買い取りによるデメリットはこの価格面のみといって良いですが、このデメリットが大きく、多くの人が直接買い取りよりも一般の売却を選択することが多くなっています。
一般媒介契約とは?そのメリット・デメリット
一方、一般の売却には、先にあげたように一般媒介契約と専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があります。この内、一般媒介契約は複数の不動産会社と一般媒介契約書で契約を結ぶことができる方法です。
一般媒介契約のメリット
一般媒介契約のメリットは、複数の不動産会社に一度に媒介を依頼することができるため、それらの不動産会社のネットワークや広告を利用して多くの方に売却情報を伝えることができることです。専任媒介契約と比べると、不動産会社間の競争意欲を掻き立てることができるという側面もあります。特に売却の経験があまりない場合には複数の不動産会社の査定から売却までの動きを見ることができるという点もメリットだと言えるでしょう。
一般媒介契約のデメリット
一般媒介契約のデメリットは、複数の不動産会社に売却を依頼していることもあり、不動産会社各社があまり積極的に動かないという点があげられるでしょう。不動産会社、広告を打つには費用がかかります。広告を打ったのに他社が売却してしまってはその分損となってしまいます。人気のある物件であれば良いのですが、そうでない場合は見向きもされない可能性もあります。
直接買い取りと一般媒介契約を比べた場合
一般媒介契約は、複数の不動産会社に媒介を依頼するため人気のない物件の場合、不動産会社が一生懸命取り組んでくれない可能性があります。買取をできるだけ早く済ませたい場合には、専任媒介契約や専属専任媒介契約で期限を区切って不動産会社に依頼したほうが、不動産会社からも早く売れるための提案等を行ってくれる可能性が高いです。設定した期限までに売れなかった場合、新たに他の不動産会社に媒介契約を依頼したり、場合によっては直接買い取りを依頼したりしても良いでしょう。
一方人気のある物件の場合には、基本的には直接買い取りは候補の上がらないはずです。一般媒介契約で複数の不動産会社と契約をしても各社一生懸命取り組んでくれるはずです。そうして、各社の競争意欲を掻き立てることで成約にプラスに働くことも期待できます。
このように、売却する不動産が市場からみて人気のない物件の場合には専任媒介契約や直接買い取りによる方法を、人気のある物件の場合には一般媒介契約を選択するというのも一つの方法です。
まとめ
不動産の直接買い取りによる唯一のデメリットは売却価格が安くなってしまうということです。一般の売却にかかる不動産売却による手間や費用を含めて、どちらが良いのかをしっかりと検討して、不動産の売却に取り組むようにしましょう。