家みつ

「不動産業者の見分け方」を教えて!

「不動産業者の見分け方」を教えて!

相談者:信頼できる不動産屋さんを見つけたい30代会社員 村松和子さん(東京都大田区)

これから家探しを始めるのですが、信頼できる不動産屋さんのアドバイスを受けるのが一番の近道かなと思っています。信頼できる不動産屋さんの見分け方を教えてください。

回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを

村松さんの言う通り、住まい探しの第一歩は、安心して任せられる不動産業者を選ぶことです。

不動産会社が不動産業を営むには「宅地建物取引業」の免許が必要です。店舗内や不動産広告には、この免許を受けていることを示す免許証番号が必ず記載されています。まずは、この免許証番号を確かめてみましょう。免許には下記のように、国土交通大臣の免許と都道府県知事の免許の2種類があります。

国土交通大臣 (2) 第123456号
神奈川県知事 (3) 第123456号

国土交通大臣の免許の方が格が上ということではなく、事務所が複数の都道府県にある不動産会社の場合は国土交通大臣が、事務所が一つの都道府県にしかない場合は該当する都道府県知事が免許を与える仕組みです。この免許証番号でチェックしたいのは「第」の前にあるカッコ内の数字です。これは、5年ごとに免許を更新した回数(1995年以前は3年ごとに更新)を表しており、この数字が大きいほど営業年数が長いことになります。たとえば、(3)であれば更新回数は2回(3-1=2)で、免許を取得してからの営業年数は10年以上15年未満ということがわかります。

なるほど。営業年数が長いと、それだけ実績があり、信頼もされてきたということですね。

ただ、営業年数はあくまでも一つの判断材料に過ぎません。営業年数が長くても経営状況が悪かったり、社員の入れ替わりが激しければ、あまり信頼できる会社とは言えません。逆に営業年数が短くても、経験豊富で誠実なスタッフがいれば安心して任せることができます。

そういう営業年数ではなく、実質的な良し悪しというのは、どうしたら見分けられるんでしょうか?

方法は2つあります。ひとつは、宅地建物取引業の免許を受けている不動産業者の「業者名簿」を調べることです。もう一つは、実際に不動産業者の店舗に足を運んで、店の雰囲気、従業員のマナー・応対態度から判断するやり方です。

最初の「業者名簿」ですが、これは宅地建物取引業法10条に基づいて、不動産業者と取引をする者が業者の経営状況、信用状況等を把握できるよう、国や都道府県が一般の閲覧に供しているものです。これを見れば、過去5年間の取引件数などの営業実績、資産内容、社業の経歴、行政処分を受けている場合はその内容、さらには取引主任者など従業員の雇用状況まで知ることができます。

業者名簿の閲覧は、都道府県の担当部署および国の地方整備局などでできます。都道府県で閲覧できる業者は、該当する都道府県知事の免許業者と該当する都道府県に本店のある大臣免許業者です。首都圏の一都三県の担当部署は下記になります。

  • 東京都都市整備局住宅政策推進部不動産業課
  • 神奈川県県土整備部建設業課
  • 千葉県都市部宅地課
  • 埼玉県県土整備部開発指導課

また、実際に不動産業者の店舗に足を運ぶ場合ですが、行く前にまずホームページを見て、きちんと作られているか、新しい情報に更新されているか、チェックしましょう。店では、店内が明るくきれいに整理整頓されていて、スタッフの接客マナーや言葉づかいがきちんとできていること、さらには担当者が地域情報に詳しく、一方的な説明でなく、こちらの質問にもきちんと答えてくれるようであれば、信頼できる業者と判断していいと思います。

業者名簿があって、それを閲覧できるというのは初めて知りました。大きな買い物ですから、面倒がらずにいろいろ調べた方がいいですね。

万一、何かトラブルが起きそうになったときは、自治体が設けている相談窓口や消費生活センター、あるいは不動産業界団体の相談窓口で相談してください。事前相談を受け付けているところもありますよ。

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