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ローンの種類(公的融資と民間融資)~資金計画の前に知っておきたい住宅ローン知識~

ローンの種類(公的融資と民間融資)
住宅ローンには、政府系機関や自治体が融資を行う公的融資と、民間の金融機関が行う民間融資があります。少し前までは住宅金融公庫が行っていた公的融資が中心で、民間融資は補完的な役割でした。

しかし、住宅金融公庫は住宅金融支援機構に衣替えして通常の融資を止めたことから、現在の公的融資は実質的に財形貯蓄をしている人を対象にした財形融資だけとなっています。反対に、民間融資が大きな比重と役割を担うようになっています。

また、住宅金融支援機構と民間金融機関との提携による長期固定金利型「フラット35」も誕生、人気を集めています。

財形融資

財形貯蓄制度を導入している勤務先で財形貯蓄をしている人を対象にした融資のこと。融資を受けるには、財形貯蓄を1年以上続け、貯蓄残高が50万円以上あることが必要です。

財形貯蓄には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3通りありますが、いずれでも財形融資は受けられます。ただ、元金350万円まで利息が非課税となる「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」の方が有利と言えます。

借り入れ可能額は、住宅購入価格の80%を上限に、貯蓄残高の10倍まで、最高4000万円まで。完済時の年齢は満75歳以下。金利は5年ごとに適用金利を見直す5年固定金利制。融資手数料、連帯保証人は不要です。

なお、財形融資は財形貯蓄をしていることが条件ですが、融資を受けるときに解約して自己資金に充当することができます。

民間融資

銀行など民間の金融機関が融資をするローンです。ローンの内容や条件は金融機関ごとに異なりますが、各金融機関とも住宅ローンに力を入れており、様々なタイプのローンや優遇策が打ち出されています。

一般的なタイプとして、融資限度額は5000万円~1億円、収入に占める返済額の割合は年収400万円以上の場合で35%以下、返済期間は最長35年。新築の場合は原則として購入価格の80%までの融資ですが、一部には100%まで認めるものもあります。完済時の年齢は満75~80歳。

金利については「固定金利選択型」が主流となっています。これは、一定の期間は固定で、その期間が終了した後は固定にするか変動にするか選択できるものです。最近では、最長35年の超長期固定金利ローンなど完全固定ローンを取り扱うところも出てきています。

また、大手都銀中心に預金や公共料金の振り替え、給与振り込みなどの取引がある顧客に対しては、金利を引き下げるなどの優遇策を実施する動きも活発化しています。

公と民の提携融資「フラット35」

政府系の住宅金融支援機構(旧・住宅金融公庫)と民間の金融機関の提携で誕生した、最長35年の長期固定金利型住宅ローンです。具体的な仕組みは、民間が貸し出したローンを住宅金融支援機構が買い取ることによって、民間は貸したお金をすぐに回収でき、安定的に長期固定型で融資できます。住宅金融支援機構は買い取った債権を証券化して投資家に販売、資金を回収します。

ほとんどの民間金融機関が取り扱っており、全国どこでも利用できます。金利と融資手数料は金融機関が独自に決めますが、長期固定型としては金利が安く設定されています。ただ、すべての住宅が融資対象になるわけではなく、断熱性、耐久性など住宅金融支援機構が定めた一定の技術基準に適合する必要があります。また、建設費または購入費が1億円以下の新築住宅および中古住宅となっています。

融資限度額は8000万円で、建設費・購入価格の90%以内。融資期間は15年以上35年以下。年収に占める返済額の割合は年収400万円未満で30%以内、400万円以上で35%以内。完済時の年齢は満80歳まで。保証料、保証人は不要です。

自治体融資

都道府県や市町村などの中には、地域に根ざした住まいづくりを推進するため、低利融資をはじめ利子補給、補助金などの支援制度を導入しているところがあります。

各自治体が行っている支援制度については、住宅金融支援機構のホームページの中の「地方公共団体が行う支援制度」をご覧ください。

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