家みつ

同じマンションなのに価格差があるのは、どうして?

同じマンションなのに価格差があるのは、どうして?

相談者: マンション検討中に疑問を抱いた30代主婦 西本恵子さん(仮名、東京・板橋区)

新築マンションの購入を検討しています。広告で見ると、同じマンション、同じ広さなのに、価格にバラつきがあります。どうしてですか?

回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを

確かに、同じマンション、同じ広さ、同じ間取りでも、価格には違いがあります。たとえば、最多価格帯(中心価格帯)が3000万円のマンションなら、一番安い部屋は2800万円程度、逆に一番高い部屋は3300万円程度と、500万円くらいの価格差があるのが一般的です。

これは、同じマンションであっても、いろいろな条件で住環境に差が出てくるからです。価格差をもたらす主な条件としては、階数、位置、方角があげられます。これらの条件のいい部屋は人気が高く、価格も高くなることになります。

まず、階数ですが、中間の階、たとえば11階建てのマンションなら6階が基準価格(中心価格))となり、それより下の階になればなるほど安く、逆に上の階にいくほど高くなるのが一般的です。これは高層階ほど採光や眺望がよくなるからで、眺望のよさをウリにしているタワーマンションでは特に顕著です。

位置というのは、同じ階でも中間に位置する部屋か、端に位置する角部屋かという違いで、角部屋の方が価格は高くなります。これは、角部屋だと窓を2~3方向にとれて通風、採光がよくなるほか、隣り合う部屋が片側だけでプライバシーが守られやすい、といったメリットがあるからです。

方角は、日当たりを大きく左右する要素で、基本的にリビングが南向きとなっている部屋の人気がどうしても高く、南→東・西→北の順番で価格が安くなります。南西と東南を比較すると、東南の方が高くなっています。

なるほど。条件の差が価格に表れるわけですね。ただ、いろいろ見ていると、同じ階、同じ広さ、同じ位置のようでも、価格に違いのあるケースがあります。これはどうしてでしょうか?

それも、付随した条件の差によるものです。たとえば、同じ高層階でも前の建物などによって視界があまり良くない位置では安くなりますし、最上階ではルーフバルコニーとなっている部屋が他よりも高くなります。また、階段やエレベーターに近い位置だと一般的に安くなるようです。

1階の場合では、専用庭が付いていると2階や3階よりも高くなります。逆に、ゴミ捨て場が近かったりすると安くなります。

わかりました。でも、何が住まいの条件としていいのかは、人のライフスタイルや好みで違ってきますよね。

その通りです。人気のある部屋、価格の高い部屋が、必ずしもいいわけではありません。一般的に良いとされる条件にもデメリットがあり、あまり良くないとされる条件にもメリットはあるものです。

たとえば、人気の高い高層階の場合、エレベーターの待ち時間が長い、地震や強風による揺れが大きい、災害時に避難がしにくい、などのデメリットがあります。逆に、低層階では外出がしやすい、非常時に外に出やすい、価格が安いなどのメリットがあります。また、角部屋についても、窓が多くて家具の配置がしにくい、断熱性が悪い、などのデメリットがあります。一方の中間部屋は両側に部屋があることで断熱性が高いというメリットがあります。

自分や家族にとっては、どういった住まいの環境や条件が適しているのか、そのあたりを十分考慮して選んだ方がいいと思います。

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