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不動産登記法について知っておきたい内容

4_不動産登記法について知っておきたい内容

土地や建物等の不動産の所有者は権利証を所持することになります。

権利証を持っていることがその土地の所有者である証となるのですが、それでは権利証を紛失してしまった場合や盗難にあったしまった場合など困ってしまいますよね。そこで土地や建物を購入した場合や譲り受けた場合には権利証を受け取ると同時に、所有権の登記申請をすることになります。こうした不動産登記の手続きを定めた法律が不動産登記法です。

不動産登記法の概要と適用範囲

不動産登記の概要

先ほど、不動産の権利証が紛失してしまった場合に備えての不動産登記という説明をしましたが、実は不動産を登記する目的は、第三者に所有者であることを主張するためです。
売主と買主(当事者)の間だけの問題であれば登記なんてする必要はありません。当事者以外の第三者に対抗するために不動産の登記は行われます。

不動産登記法の概要と適用範囲

不動産登記に関する法律や政令として以下の4つがあります。

不動産登記に関する手続きを定めた不動産登記法、その下位として、登記申請の際に登記所に提供する申請情報及び添付情報を中心に構成される不動産登記法令、さらにその下位には、登記官が取るべき手続きを中心に定められた不動産登記規則、さらにその下位とに登記官が取るべき手続きについて様式や記録すべき文言などを中心に定められた不動産登記法規則です。

不動産登記法

不動産登記法は不動産登記に関する手続きを定めた法律です。所有権や地上権など権利に関してや登記事項証明書について、登記官や登記所についてなどが定められています。1899年に制定された法律であり、オンライン申請の導入や筆界特定制度など時代の流れに合わせて改正されています。

不動産登記令

不動産登記令は不動産登記法の下位に当たり、不動産登記に関する手続きに関して定めた政令です。登記申請に関する申請情報及び添付情報や、オンラインによる申請手続きの方法、書面による申請手続きの方法などで構成されています。旧不動産登記法下においては、政令としての不動産登記法施行令がありましたが、登記に関する建物の構造や床面積等について定めたものであり、現行の不動産登記令とは一致していません。

不動産登記規則

不動産登記規則は不動産登記令の下位に当たり、不動産登記に関する手続について定めた省令です。不動産登記規則では、主に登記官が取るべき手続きについて定められています。旧不動産登記法下においては、省令として不動産登記法施工細則がありましたが、現行の不動産登記規則とは一致していません。

不動産登記事務取扱手続準則

不動産登記事務取扱手続準則は、不動産登記に関する手続について定めた通達です。不動産登記規則の下位に当たり、登記官がとるべき手続きについて、様式や記録すべき手続きについて定められています。

2005年の不動産登記法の改正

1899年に施行された不動産登記法ですが、2005年に全文を書き直す大改正がなされました。2005年の不動産登記法の改正は、登記事務のオンライン化を前提としたもので、改正以降、全国の法務局は逐次オンライン化が進められ、2008年には全ての法務局のオンライン化が完了しました。

権利証が登記識別情報に

改正後は登記が完了すると、登記名義人に対して登記識別情報が通知されることになりました。今までは権利証を持っていることが所有者である証でしたが、改正以降は登記識別情報という12ケタの英数字を知っていることが不動産の所有者である証となりました。

登記識別情報は書面で確認することができますが、12ケタの英数字が記載されている欄には目隠しのシールが貼り付けられています。また、今までの権利証はオンライン化後の最初の登記に権利証を添付する必要があります。改正されたからといって権利証としての効力がなくなるというわけではありません。

保証制度から事前通知制度への変更

不動産は永い期間所有することも多く、権利証が紛失してしまうこともあります。改正前は、こうした権利証がない場合に、保証書を発行していたのですが、改正後ではこの保証書制度を廃止して、事前通知制度に移行することになりました。

事前通知制度は、権利証を紛失した場合に、売主や譲渡人等である登記義務者に対して、登記所から通知がなされ、受け取った登記義務者が署名と実印による押印をすることで、登記が実行されるという制度です。

東日本大震災時に講じられた措置

東日本大震災では多くの建物が被害に合いました。政府は東日本大震災の被害者の負担軽減を図るため、「東日本大震災の被災者等に係る関係法律の臨時特例に関する法律」を施行しました。

被災した建物の建替え等に係る登録免許税の免除

東日本大震災により住宅や工場などの建物に被害を受けた方が、滅失した建物に代わるものとして新築や取得した建物の登記やその建物敷地の用に供する土地の登記に関しては、一定の要件の下、登録免許税が免除されます。さらに、この特例を受けた土地建物の取得の際に資金の貸し付けを受け、抵当権を設定する場合にはその登記費用に関しても登録免許税が免除されます。期間は平成23年4月28日から平成33年3月31日までとなっています。

東日本大震災の被災者等に係る登記事項証明書等の交付についての手数料の特例に関する政令

この政令では、平成33年3月31日までの間、震災により被害を受けたものとその相続人が被災建物とその敷地等に関する登記事項証明書を取得する際の手数料を免除することとされています。

相続の承認、または放棄をすべき期間に係る民法の特例に関する法律

この法律は民法の特例に関する法律で直接不動産登記法には関係がありませんが、不動産とも関係の深い相続に関して取り扱った法律です。民法では、相続人は、相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に相続について単純承認か限定承認または放棄をしなければならないと規定されており、承認も放棄もしなかった場合には単純承認したものとみなされます。しかし震災による生活の混乱の中で手続きができずに不利益を被ることを防止するため、熟慮期間が設けられました。

倒壊・流出等した建物の職権滅失登記

通常建物が滅失した時は所有者が申請しなければならないとされていますが、震災の被災者の登記申請の負担を軽減し、被災地の復興を促進するため、震災によって倒壊、流失等した建物については登記官が調査を行い確認した上で、職権により滅失登記を行うこととされました。

まとめ

不動産登記に関する手続きは

  • 不動産登記法
  • 不動産登記令
  • 不動産登記規則
  • 不動産登記事務取扱手続準則
  • の4つの法律、省令、政令、通達により取り決めがされています。

この中で最も上位に位置する不動産登記法は1899年に施行されて以降、時代に合わせて細かな改正はされてきましたが、2005年に、コンピュータ化とオンライン化を前提として全文を見直す大改正がなされました。

また、東日本大震災の際には被災者の負担を軽減する目的で登録免許税や登記事項証明書の取得の手数料等の免除に関する特例等が定められました。

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