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不動産への買付証明書とは?

10_不動産への買付証明書とは
買付証明書とは購入申込書ともいわれ、不動産を購入する時に購入希望価格や契約希望日を記入して、売主に提示するものです。実際には不動産仲介業者に送ることで、売主側の不動産仲介業者から売主に希望が伝えられます。今回は不動産の買付証明書についてご紹介します。

どのような時に買付証明書を使うの?

不動産の買付証明書は、気に入った不動産があったとき、その不動産を押さえる目的で使用します。この買付証明書を送った段階で他に購入希望者がいればその次に、いなければ最初の購入希望者として通常扱われます。

とはいえ、実は買付証明書には法的な効力はありません。買付証明書を送ったからといってその物件を購入しなければいけないわけでもなければ、買付証明書が届いた順番で厳格に分けなければいけないわけではありません。売主としては、最初に買付証明書が届いた人よりも、最後に買付証明書を送ってきた人の条件が良ければ、そちらと取引しても何の問題もないのです。

そのため、買付証明書を送る時には事前に不動産仲介業者に他にどのような購入希望者がいるのか、どのような条件で物件を押さえることができるのか確認してから送るようにしましょう。尚、買付証明書はFAXで送れば大丈夫です。

買付証明書に記入する項目

買付証明書には、決まった書式はありません。自分で手書きで買いても問題ありませんが、インターネット上に雛形がいくつもありますので、自分の使いやすいようにカスタマイズして使用すると良いでしょう。

主な記入する項目は、次の7つです。

1.住所氏名

現住所と氏名を記入します。そのままスムーズに進めば、契約書や重要事項説明書に記載される内容となりますので間違いのないように記入しましょう。

2.購入希望物件の内容

購入を希望する物件の住所や面積などを記入します。

3.購入希望価格

その不動産の購入希望価格を記入します。売り出しされている不動産の価格より低くても構いません。既に説明したように、できれば事前に不動産仲介業者に電話でどれくらいまで値引きが可能か確認しておくと良いでしょう。

4.手付金の額

手付金の額を記入します。複数の購入希望者がいる場合、一般的に手付金の額が多ければ多いほど選ばれやすくなります。一度支払った手付金は、ローン不承認による白紙解約など特殊な事情を除いて返ってくることはありません。不動産の売買は最後までなにがあるか分かりません。買主としては、できるだけ手付金の額を抑えたいところですが、他の購入希望者の状況を確認して手付金の額を決めるという方法も良いでしょう。

5.住宅ローンの額

利用する住宅ローンの額について記載します。売主としては、住宅ローン特約というリスクがあるため、現金客の方が好まれます。とはいえ、全額現金となると準備しようと思ってできるものではないので、気にしなくても良いでしょう。

6.契約希望日

希望の契約希望日を記入します。早ければ早いほど好まれます。

7.その他希望条件

ローン特約などや買い換え特約など、希望があれば記入します。特約はできれば事前に期限など確認をしておくと良いでしょう。ここで記入していなかったからといって後で特約を利用できないというわけではありません。

尚、上記項目は全て記入しなければいけないわけではありません。最低でも、氏名住所と購入希望物件、購入希望価格を記入したものを送れば大丈夫です。

買付証明書で値引き交渉をする

不動産の価格はあってないようなものなので、買主としては可能なかぎり値引きしたいところです。当然、売主としては可能な限り高く売りたいと思っていますから、不動産の値引き交渉はどの程度まで譲歩可能かの探り合いになります。

買付証明書は、こうした不動産の値引き交渉のために存在するとも言えます。先に、不動産の買付証明書を送付する際には、不動産仲介業者や売主と事前に交渉しておくべきと伝えましたが、逆に先に打ち合わせをしてしまうと、お互い気を遣ってしまうところもあり、大きな値引きはしづらいでしょう。

「この価格であれば購入したい、この価格より高いのであれば購入しない」という価格があるのであれば、何も相談せずに買付証明書を送ってみるのも一つの手です。

売り渡し承諾書

送った買付証明書に対して、売主側の回答として売り渡し承諾書という書類がもらえる場合があります。この売り渡し承諾書には「買付証明書に記載された金額で売り渡します」といった回答や、「買付証明書に記載された金額では取引できません」といった回答、「〇〇〇〇万円であれば売り渡します」といった条件付きの回答の場合があります。

まとめ

不動産の買付証明書は不動産を押さえるために利用するものですが、不動産の購入希望価格や、ローン特約などの条件を交渉するものでもあります。買主と売主のメリットは真っ向から対立するものばかりです。買付証明書を送る場合には、相手がどこまで譲歩できるのかを見極めて、少しでも良い条件で取引できるように利用すると良いでしょう。

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