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「15階建て」マンションはNGって、本当?

「15階建て」マンションはNGって、本当?

相談者: マンションを探し始めている30代主婦 大林祥子さん(仮名、横浜市)

友人から「15階建てマンションは避けた方がいい」と言われましたが、これって本当ですか?

回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを

結論から言えば、多くの場合、本当ですね。

まず、マンションの階数は、基本的に建設するマンションの高さで決まります。一方で、建設する建物の高さが31メートル、45メートル、60メートル、100メートルをそれぞれ超えるごとに、建築基準法や消防法による規制は厳しくなり、建設コストも上がってきます。規制とコストの兼ね合いから、マンションでは45メートル(未満)の中層マンションにするケースが多くなっています。

では、この45メートルの高さのマンションは何階建てになるのでしょうか?高さ45メートルですが、1階の住戸の床の高さが地盤面から約50センチ必要であるほか、屋上のパラペット(手すり壁)の高さも約50センチ必要であることを考えると、実際の居住部分に使える高さは約44メートルです。通常、マンションの階高(各階のコンクリート面からコンクリート面までの高さ)は最低でも3メートルは必要と言われていますので、44を3で割って確保できる階数を求めてみます。

実質の高さ44メートル ÷ 最低必要な階高3メートル = 14.67階

14階建てにするには十分な高さがあるものの、15階建てにするには少し高さが足りないということになります。でも、「少し高さが足りないけど、ちょっと頑張れば15階建てにできて、その分、販売戸数を増やすことができる」と考えるマンション開発業者も当然出てくることになります。

えーっ、ちょっと頑張れば15階建てにできるんですか?秘密は何ですか?

普通にやっては天井高が低くなってしまうので、床を通常では二重床にすべきところを「直床(じかゆか)」にするのです。「直床」とは床スラブの上にカーペットやフローリングを直に張り付けるもので、床部分の厚さを薄くした分、天井高を高くすることができます。

14階建てにしたときの天井高が2.5メートル程度なのに対し、15階建てでも直床によって2.45メートル程度を確保できます。5センチ程度の差のため、モデルルームなどでちょっと見ただけでは違いがよくわからない人も多いようです。

しかし、直床は二重床に比べて遮音性能にやや問題があるので、実際に住み始めてから上下階との間で音のトラブルが発生しやすいという指摘があります。また、直床のため、バルコニーへのサッシ部分に段差ができてしまうほか、リフォームの自由度が制限されるというマイナス面があります。さらに浴室や洗面所など水回り部分では、配管を通す必要があるので直床というわけにはいかず、どうしても天井高は低くなってしまいます。

開発業者や販売業者はともかく、購入して住む人にとっては何もいいところがないわけですね。

そうですね。たとえば、敷地面積が狭い商業地域で建設する場合、15階建てにして容積率をフルに使うことで、14階建ての場合に比べて建築面積を少なくでき、その分、中庭や緑地部分が増えるというメリットはあります。ただ、住宅地の中高層専用地域では関係ありません。

また、開発業者によっては、一戸あたりの建設コストを安くできる分、同じ専有面積なら14階建てよりも15階建ての販売価格を多少安く設定するということもあるでしょう。

いずれにしても、15階建てマンションの購入を検討するにあたっては、床や天井の構造、天井高、玄関など開口部分の高さ、水回りのバリアフリー性などをよくチェックしてみる必要があります。

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