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専任媒介契約と一般媒介契約のメリット・デメリット

25_専任媒介契約と一般媒介契約のメリット・デメリット
専任媒介契約一般媒介契約といった言葉を聞いたことがあるでしょうか。そもそも媒介契約とは不動産業者に売却や購入の仲介を依頼する場合には必ず結ぶ契約です。媒介契約の中にも専属専任媒介契約、専任媒介契約、一般媒介契約の3種類があり、複数の不動産業者に重ねて依頼することができるかどうかや、依頼主への報告義務と、その頻度等に違いがあります。それでは、どのタイプの媒介契約を選ぶのが良いのでしょうか。

専任媒介契約とは?そのメリット・デメリット

専属専任媒介契約と専任媒介契約

専任媒介契約は、1つの不動産業者との間で専任媒介契約書を交わすと、他の不動産業者に重ねて依頼することのできない媒介契約のことを指します。専任媒介契約には、専属専任媒介契約と専任媒介契約があります。

専属専任媒介契約とは

専属専任媒介契約とは、1つの不動産業者に仲介を依頼したら、他の不動産業者に重ねて依頼することができない契約で、国土交通大臣指定の指定流通機構(レインズ)に登録する義務があります。また、契約有効期間は3カ月以内と定められています。専任媒介契約との違いは、依頼主に対して、1週間に1回以上の頻度で活動内容を報告する義務があることと、依頼主が自分で購入希望者を発見して売却することを禁止している点です(自己発見取引の禁止)。

専任媒介契約とは

専任媒介契約とは、専属専任媒介契約と同じく、他業者への依頼ができず、レインズへの登録義務と3カ月の契約有効期間の定めがある媒介契約です。専属専任媒介契約との違いは、報告義務が2週間に1回以上と頻度が少なく、自己発見取引が認められている点です。

専任媒介契約のメリットとデメリット

専任媒介契約のメリットは、1社に絞って媒介契約を依頼するため、売主にとってはやり取りが楽な点と、仲介業者にとっては他社に契約される心配がないため、広告費等を潤沢に活用できるという点があります。また、売買価格が高ければ高い程仲介手数料も高くなるため、不動産業者が物件を高く売ることに積極的になるという点もメリットとして挙げられるでしょう。

専任媒介契約のデメリットは、1社にしか依頼することができないため、その1社の営業力が無かった場合、売却活動が長期化してしまうことでしょう。

また、専属専任媒介契約では、自己発見取引が禁止されているため、売主にとってはたとえ自分で買主を見つけてきても、不動産会社に仲介手数料を支払わなければなりません。このため、実際には専属専任媒介契約が選ばれることはほとんどありません。

一般媒介契約とは?そのメリット・デメリット

一般媒介契約とは、1つの不動産業者と一般媒介契約書を交わしても、他の不動産業者と重ねて契約することのできる媒介契約です。一般媒介契約は、専任媒介契約より取り決めが少なく、契約有効期間や活動内容への報告義務、レインズへの登録義務がありません。また、自己発見取引も認められます。

専属専任媒介契約 専任媒介契約 一般媒介契約
他業者への依頼 × ×
自己発見取引 ×
3カ月の契約有効期間 ×
活動内容報告義務 1週間に1回以上 2週間に1回以上 ×
レインズへの登録義務 〇(契約から5日以内) 〇(契約から7日以内) ×

一般媒介契約のメリットとデメリット

一般媒介契約のメリットは、複数の業者に依頼することにより、情報を広く拡散することができ、さまざまな広告媒体やルートでの売却活動が可能という点が挙げられるでしょう。売れる見込みの高い物件の場合、他社より先に売ろうとして積極的に動いてくれる場合もあります。

一方、一般媒介契約は、広告費をかけて営業活動をしても、他社に契約されてしまえば回収ができなくなってしまうおそれがあることから、売却活動に積極的に動かない可能性もあります。また、買主にとっても複数業者とやり取りをする必要があり、専任媒介契約と比べると負担は大きいでしょう。

専任媒介契約と一般媒介契約どちらが良いか?

実際、専任媒介契約と一般媒介契約どちらが良いのかということですが、売却する物件が、人気がある物件かどうかで使い分けると良いでしょう。

人気のある物件の場合は一般媒介契約をおすすめします。人気のある物件であれば不動産会社の営業力は問われないからです。人気のある物件はどこもお客さんをつけたがるため、他社と競争するように売却活動を行ってくれるはずです。

一方、一般的な物件の場合には専任媒介契約です。専任媒介契約には不動産業者の活動内容報告義務やレインズへの登録義務があるため、一般媒介契約では不動産会社が積極的に取り組まないような物件でも、力を入れて活動してくれるからです。

まとめ

媒介契約には大きく専任媒介契約と一般媒介契約の2つの契約方法があります。それぞれの違いについてしっかりと理解して、自分の売却した物件は市場に人気があるのかどうかや、自分がどの程度売却活動に時間を割けるのかどうかを把握した上で、自分や物件にあった媒介契約方法を選ぶと良いでしょう。

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