心理的瑕疵物件って?知っておきたい不動産知識
お部屋探しをする時、不動産屋に行く前にネットで検索する人が多いのではないでしょうか。中には物件検索サイトだけで部屋を決めてしまう人もいます。条件に合った物件を絞り込む機能もありますし、家賃が安い順に表示させることも出来て便利ですね。相場より家賃が低い物件があると、ついついチェックしてしまうのではないでしょうか。しかし、そうした部屋の詳細を確認すると「心理的瑕疵あり」といった記載がある場合があります。
もくじ
心理的瑕疵って何?
心理的瑕疵(かし)物件とは、何らかの心理的な欠陥がある物件のことを指します。例えば、過去にその部屋で自殺・殺人・孤独死など、人が亡くなっているといった、いわゆる事故物件のケース。また、シロアリ被害のある建物や、近くに墓地や暴力団組織の施設がある場合なども心理的瑕疵物件に当たります。
様々な心理的な理由から、物件の価値が下がってしまった時にこのような記載があります。心理的瑕疵物件かどうか、入居前に知っておく必要があります。
不動産屋には告知義務があります
心理的瑕疵として認められる物件については、不動産屋側で入居者への告知義務があります。告知せずに契約し、後で事故物件だったことを知り、トラブルになることもあります。入居者としても、最初からわかっているのといないのでは、気持ちの面でも全く違いますよね。告知しなければならない具体的な年数は明文化されていませんが、こうした心理的瑕疵については、年月と共に薄れていくという考え方が一般的なので、10年前後は告知してくれる不動産屋が多いようです。基本的には契約前に不動産屋で教えてくれることが多いですが、中には悪質な不動産屋もあります。告知義務についての詳細は決まっていないので、中には事故物件となった後、一人でも入居した記録があれば、それ以降の入居者へ告知しない不動産屋もあるかもしれません。
気になるならネットで検索可能
「家賃は安いけど、心理的瑕疵物件ではなさそう・・・でも気になる・・・」という人は、事故物件を公示しているサイトで検索するという手もあります。全ての事故物件が登録されているわけではありませんが、目安にはなるでしょう。なにも家賃が安いからといって、全ての物件が心理的瑕疵があるということでもありません。たまたまキャンペーンとして安く出している物件も当然あります。あまり神経質になりすぎないようにしましょう。
1部屋だけ定期借家になっている場合も
2年毎に更新が出来る「普通借家」といった形式での賃貸契約が一般的ですが、その他に「定期借家」という契約があります。定期借家とは、決まった年数だけの契約で、基本的に更新が出来ない契約のことです。事故物件ではニュースで取り上げられたり報道されると、より次の入居者が決まりづらくなりますから、最初は家賃を下げ、定期借家で1年契約で貸し出し、その後で他の部屋と同じ家賃に戻すという方法をとることもあります。建物全体で定期借家にしていることは、オーナーや不動産屋の意向として考えられますが、他の部屋は普通借家なのに、1部屋だけ定期借家、かつ家賃も低い場合は事故物件の可能性があります。
部屋の一部分だけがリフォームされている
事故物件の場合、例えばキッチンだけ異様に新しいのに居室が古いままだったり、部屋の印象がアンバランスになっている事があります。もちろん部屋を丸ごとリフォームしている場合も。しかしこれは単に部屋が古くなってきた時には行うこともあるので、一概には言えません。フォームはお金がかかることですから、1部屋だけ、部屋の1部分だけ、という不自然なリフォームの場合は、不動産屋に聞いてみましょう。
最初から事故物件を探す人が増えている
中には、最初から事故物件に住もうと考えて部屋を探すという強者もいます。心理的瑕疵のある物件は、次の入居者が決まるのに時間がかかります。家賃を下げるのはもちろん、敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用がかからない事も多いので、格安で部屋を見つけたいという人には狙い目というわけです。しかし、大抵の人は心理的瑕疵物件と知れば避けるのでこうした人は稀でしょうが、こうした事を気にしない人にはある種人気の物件のようです。
心理的瑕疵物件という存在を知る
心理的瑕疵物件は、一般的には敬遠されてしまう物件です。もちろん、気持ちのいいものではありませんが、沢山の人が入居、退去を繰り返す物件なので、過去に何かがあってもおかしくは無いですよね。事故物件だからといって、必ず心霊現象が発生するわけでも無いでしょうし、定義として心理的瑕疵とはいえ、人の価値観は様々ですから、ある人にとっては何の問題も無いこともあるでしょう。いずれにせよ、入居するなら事前に知り、納得してから契約するべきです。せっかくの新居での生活、気持ちよくスタートさせたいですよね。こうしたことを知っておくことで、トラブルを事前に防ぐ事が出来るでしょう。