住宅ローンの返済方式~ 資金計画の前に知っておきたい住宅ローン知識~
住宅ローンの返済方式には、毎月の返済額が一定の「元利均等返済」と、元金部分の返済額を毎月一定にする「元金均等返済」という2つのタイプがあります。民間金融機関では「元利均等返済」が一般的ですが、「フラット35」や財形融資では「元金均等返済」も扱っているので、ライフプランなどから判断して最適なプランを選びましょう。
元利均等返済
完済まで毎月の返済額が同じになるように、元金の返済部分と利息の支払部分の比率を計算して調整します。返済開始当初は利息の支払部分の比率が大きく、元金の減り方は遅くなります。利息部分の支払いが減少するにつれて、元金部分の返済が増えていきます。
- 【メリット】
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- 返済額(元金+利息)が一定で返済計画が立てやすい
- 元金均等返済に比べて返済開始当初の返済額が少なくてすむ
- 【デメリット】
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- 元金均等返済に比べて元金の減り方が遅い
- 返済期間が同じなら元金均等よりも利息の支払総額が多くなる
元金均等返済
元金部分の返済額を毎月均等にし、利息部分の支払いは元金残高に応じた額を支払っていきます。返済開始当初は返済額(元金+利息)が元利均等返済より多くなりますが、元金の減り方は早く、総返済額も抑えられます。
- 【メリット】
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- 返済するにつれて返済額(元金+利息)が減っていく
- 元利均等返済に比べて元金の減少が早く、支払総額が少なくなる
- 【デメリット】
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- 返済開始当初の返済額が大きい
- このため借り入れに必要な月収基準も高くなる
「元利均等返済」と「元金均等返済」による返済額の違いは?
では、同じ条件で融資を受けた場合、「元利均等返済」と「元金均等返済」では毎月の支払額と総支払額がどう違ってくるのでしょうか? 借入期間30年、全期間固定金利2%で3000万円を借りた場合、返済額は下記のようになります。当初返済額は元利均等の方が2万3000円少ないものの、総支払額としては元金均等の方が89万円もおトクということになります。金利水準が高くなれば、総支払額の差はもっと大きくなってきます。
当初返済額/月 | 総支払額 | |
---|---|---|
元利均等返済 | 11万1000円 | 3992万円 |
元金均等返済 | 13万4000円 | 3903万円 |
ボーナス返済併用
元利均等返済、元金均等返済のどちらにおいても、毎月の支払いに加えてボーナス月に増額するボーナス返済併用という返済の仕方もあります。サラリーマンで年2回のボーナスが確実に見込める場合、月々の返済負担が軽くなるメリットがあります。 たとえば、借入期間30年、全期間固定金利2%、元利均等返済で3000万円を借りてボーナス返済併用を使うと、ボーナス返済割合30%と40%の場合、毎月の返済額、ボーナス時加算額はそれぞれ次のようになります。
毎月返済額 | ボーナス時加算額 | 総支払額 | |
---|---|---|---|
ボーナス返済割合30% | 7万8000円 | 20万1000円 | 3996万円 |
ボーナス返済割合40% | 6万7000円 | 26万7000円 | 3997万円 |