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共有名義で不要な贈与税を回避~節税対策~

共有名義で不要な贈与税を回避
住宅購入にあたって夫婦で資金を出し合った、あるいは親から援助してもらったケースでは、登記の名義に注意する必要があります。資金の出所に関係なく夫、あるいは子どもだけの名義で登記すると、贈与税が課せられるからです。

夫婦二人で資金を出し合ってマイホームを購入した場合

まず、夫婦二人で資金を出し合ってマイホームを購入した場合、二人の出資比率に応じた持分で共有名義にする必要があります。仮に夫だけの名義にしておくと、妻の出資分が夫に贈与されたものとみなされ、贈与税がかかることになります。

例として、5000万円の土地付き戸建てを、夫婦で下記のように頭金を出し合い、借り入れもそれぞれに行って購入したケースでみていきます。

夫婦二人で資金を出し合って 5000万円の戸建てを購入
  • 頭金 1000万円 (うち、夫 600万円、妻 400万円)
  • 借入金 4000万円 (うち、夫 2500万円、妻 1500万円)

頭金と借入金を合わせた購入資金5000万円のうち、夫の出資は3100万円で出資比率62%、妻の出資は1900万円で出資比率38%となります。共有名義にするときは、この出資比率と同じ持ち分比率にして登記しなければいけません。仮に夫だけの名義にしたとすると、妻の出資した1900万円は夫に贈与されたとものと判断され、贈与税が670万円もかかることになります。共有名義にする際に注意が必要なのは、住宅ローン減税や売却時の減税条件を満たすため、家屋、土地それぞれについて持ち分に応じた登記をしておくことです。

共有名義にすることによる税金面でのメリットは、不要な贈与税がかからなくなるだけではありません。上記の例では、妻も1500万円の住宅ローンを組んでいるので、夫婦それぞれが住宅ローン減税の控除を受けられることになります。

妻が住宅ローンを組んでいなくても、夫の借り入れの連帯債務者になっていれば持ち分に応じて住宅ローン減税の適用対象となります。もうひとつ、共有名義にしておくと、将来的にその住宅を売ることになったとき、譲渡益に対する「3000万円特別控除」を夫婦それぞれが受けられるというメリットもあります。

親から資金援助を受けてマイホームを購入した場合

次に、親から資金援助を受けてマイホームを購入した場合です。この場合は2通りのケースが考えられます。

ひとつは、親からの資金援助が特例措置も含めて非課税枠として使える3200万円(2013年度の一般住宅の場合)以下のケース。このケースでは子どもだけの名義にしてかまいませんが、税務署にきちんと申告して非課税措置を受ける必要があります。

もうひとつは親からの資金援助が3200万円を超えるケース。このケースでは3200万円までについて非課税措置を受け、残りの部分を親の持ち分として共有名義にすれば贈与税がかかりません。

いずれのケースでも、非課税枠として使える「住宅取得資金の贈与を受けた場合の贈与税の非課税の特例」および「相続時精算課税制度」の適用を受けるには要件があるので、事前に確認しておく必要があります。

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