マンション価格、中古になるとどのくらい下がるの?
相談者:買い換えを前提にマンション購入を検討中の20代会社員 坂本卓也さん(仮名、東京・江東区)
10年後ぐらいの買い換えを前提にマンション購入を検討しています。マンションは中古になると、どのくらい安くなっていくものでしょうか?
回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを
中古マンションの価格は、主に築年数や立地(利便性や周囲の環境)、階数や方位(リビングなどの向き)、管理状態などで決まってきますが、一般的には仲介を依頼した不動産会社が取引事例比較法によって査定し、その査定価格を参考に売主が売却値段を決めます。取引事例比較法というのは、同じ地域での類似する物件の取引事例を参考に値段をつけるもので、最もウエイトが大きくなる判断要素は築年数となります。
中古マンションの築年数による価格下落の度合いですが、一般的に築10年までで年に1.5%、築10~20年で年に2%、築20年以上で年に2.5%ずつ価格が安くなっていきます。平均すると年に2%ずつ下がる計算で、専有面積の1坪(3.3平方メートル)当たり単価でみると年に4万円ずつ下落していきます。専有面積20坪(66平方メートル)のマンションなら、年に80万円ずつ価値が下がっていくことになります。この1坪当たり年4万円の下落は立地に関係なく、都心でも郊外でも同じように下がる傾向があります。
たとえば、専有面積20坪(66平方メートル)の新築マンションの価格が都心で4000万円(坪単価200万円)、郊外で3000万円(同150万円)とします。年に同じように坪当たり4万円下がると、下落率は都心で年2%、郊外で2.7%と、郊外の方が下落の度合いが高くなります。これは、都心は地価が高く、都心のマンション価格の場合、価値が下がりにくい土地のウエイトが高くなっているからです。
都心の新築マンションでも10年経てば価格が2割下がることになりますね。買い換えを前提にしてマンションを買おうとする場合、何か対応策はありますか?
対応策としては2つあります。
ひとつは、築年が経過してもマンションの価値が落ちにくい好立地で物件を探すことです。先ほども述べましたが、坪単価が高いところほど下落率は低くなります。最初から買い換えを考えているのであれば、価格は高くても、その後の価値が落ちにくい好立地の物件を選ぶことです。マンションは一に立地、二に立地です。
もうひとつの対応策は、価格の下落分以上にローンの元本を減らしていくことです。たとえば、先ほど例に挙げた専有面積20坪(66平方メートル)の新築マンションを都心で4000万円(坪単価200万円)で購入した場合、年に80万円(4万円×20坪)ずつ価格が下落する計算です。ローンの元本返済を年80万円以上に設定しておけば、売却時に元本返済額と下落分の差額がキャッシュで手に入ることになります。
いずれも資金的に余裕がないと難しいかもしれませんが、できるだけこの対応策に近い形で購入プランを検討してみてください。