家みつ

安心できる中古住宅の選び方を教えて!

安心できる中古住宅の選び方を教えて!

相談者: 中古住宅購入に少し不安な30代主婦 榊原智子さん(仮名、川崎市)

価格的に安いので中古住宅の購入を考えていますが、性能や品質面に少し不安も感じます。安心できる中古住宅の選び方を教えてください。

回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを

中古住宅は新築に比べて価格が安く、物件も豊富です。ただ、玉石混交のような市場で物件の良し悪しを見極めるのがなかなか難しく、これまで中古住宅は敬遠されがちでした。ところが、国が住宅の質の向上を目指して中古住宅市場の整備に乗り出したことから、ここ数年で以前より中古住宅を安心して買えるようになってきています。

何か中古住宅にかかわる
法的な整備がされたのでしょうか?

そうです。この10年間で中古住宅を安心して買える新しい制度が2つスタートしました。「既存住宅性能表示制度」と「中古住宅売買瑕疵(かし)担保保険」です。

まず、住宅性能表示制度ですが、2000年に新築住宅を対象に始まり、2002年12月からは既存住宅についても住宅性能表示制度がスタートしました。この制度は、国土交通大臣が登録した「登録住宅性能評価機関」が住宅をチェック、評価して、「建設住宅性能評価書」を交付するものです。第三者が客観的に評価するので安心なことに加え、万一、その住宅にトラブルが発生した場合は指定住宅紛争処理機関に申し立て、迅速公正に対応してもらうことができます。

中古住宅を買う場合、宅建業者(仲介業者)に住宅性能評価書が付いている住宅かどうかを確認してください。

この住宅性能表示では、
どのようなことがわかりますか?

中古住宅の場合、外観の目視を中心としたチェックなので、外観からわかる住宅の現況となります。壁のひび割れ、床の傾き、漏水等の跡など家の劣化状況や不具合、持っている性能などです。目視なのでチェックできる範囲に限界はあります。

わかりました。では、もうひとつの「中古住宅売買瑕疵担保保険」について教えてください。

「中古住宅売買瑕疵担保保険」は、先に説明した住宅性能表示制度の持つ検査機能に、万一の際の保証をセットにした保険制度で、2010年からスタートしました。保証がつくことで、より安心して中古住宅を買うことのできる仕組みです。

具体的な仕組みは、売主の宅建業者(仲介業者)が中古住宅売買瑕疵担保保険に加入することで、万一、引き渡しを受けた建物の保険対象部分に瑕疵(欠陥)が見つかった場合は補修費用を負担してもらえるようになっています。補修費用を負担することになった業者には保険から保険金が支払われます。仮に業者が倒産した場合は買主に保険金が支払われるので安心です。保険対象部分となるのは基礎や床、柱、屋根など構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防止する部分などで、保証期間は5年です。

引き渡し前に宅建業者が保険に加入するわけですが、加入するには住宅の基本的な性能について専門の建築士による検査に合格する必要があります。このため、中古住宅売買瑕疵担保保険に加入できた中古住宅は性能的に安心して買える物件と言うことになります。

購入する前に、宅建業者に中古住宅売買瑕疵担保保険の利用、加入について必ず問い合わせるようにしましょう。

耐震性能については
わかりますか?

耐震診断については破壊検査を伴う詳細な検査が必要になります。既存住宅性能表示制度、中古住宅売買瑕疵担保保険の検査ではわかりません。詳細な検査は別途ホームインスベクション(住宅診断)を依頼する必要があります。ホームインスベクションの費用ですが、耐震補強工事を行う前の現況調査などは20~30万円程度です。

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