不動産売却の無料一括サイトの裏側
不動産を売却するにあたっては不動産会社に価格査定を受ける必要があります。通常は地域の不動産会社に電話したり、訪問したりしますが、最近ではインターネットで複数の不動産会社に一括して査定を依頼できる一括査定サイトを利用するかたも多いようです。しかし、この一括サイトは裏側を知っていないと思わぬ損失を負ってしまう可能性があります。
もくじ
最近よく見かける不動産売却の無料査定サイトって？
そもそも、不動産売却の一括サイトってどういうものでしょうか？不動産売却の一括サイトは、利用者が一つの無料査定サイトに申込をすると、その査定サイトと提携している複数の不動産会社に一度の価格査定を依頼できるというものです。
査定サイトを徹底比較
一括査定サイトにはどのようなものがあるのでしょうか？主な一括査定サイトを比較してみます。
| オウチ―ノ | イエウール | イエイ | マンションnavi | |
|---|---|---|---|---|
| 登録業者数 | 500社 | 900件 | 1,000件 | 500件 |
オウチ―ノ
不動産・住宅の総合情報サイトで、売却だけでなくリフォームやリノベーションや新築までサポートしています。60秒入力で一度に複数社に査定依頼をすることができます。
イエウール
サイトへの入力は60秒で行え、最大6社の査定を受けられます。2014年運営開始と、比較的新しいサイトながら、900以上の査定会社が登録さています。運営会社はWEBマーケティングに強い会社で、使いやすいデザインになっています。
イエイ
不動産売却一括査定サイトの老舗とも言えるサイト、2014年1月時点で利用実績が150万人となっています。登録業者数も1,000社。お客様からの評判の悪い不動産会社を排除するイエローカード制度を導入しています。
分譲マンション専門で一括査定を行っている一括査定サイトです。不動産コラムなど、初心者にも分かりやすい解説が充実しており、主要なマンションのデータベースもあります。
簡易査定と訪問査定はどれくらい価格に差がでるのか？
インターネットを利用した不動産の価格査定には、簡易査定と訪問査定の2つの方法があります。
簡易査定とは？
簡易査定とは、机上査定とも言われる方法で、周辺の相場や公的な価格を参考に、不動産会社が実際に物件を見ることなく査定価格を算出します。実際の不動産価格とは誤差がでることもあるため、まずおおまかな価格が知りたいという方におすすめの方法です。
訪問査定とは？
不動産会社の担当者が現地を訪れて、実際に現地の状況を見て不動産の価格を査定します。簡易査定と比べると、例えば眺望など、見なければ分からない情報を価格に反映することができ、より正確な価格査定ができます。実際に売却するために動いている方は最初からこちらの方法で依頼しましょう。
簡易査定と訪問査定の価格の誤差はどれくらい？
簡易査定と訪問査定では、すでにお伝えしたように、眺望など現地でしか得られない情報を価格に反映することができます。逆に言えば、特別な特徴がなく、周辺相場とそう変わらないことが予想される物件であれば簡易査定でも十分な場合もあります。一括査定サイトでは簡易査定と訪問査定両方に対応してくれる不動産会社もあるので両方査定依頼をしてみると良いでしょう。
一括査定サイトで気をつけなければならないこと
不動産売却の無料一括査定サイトには、いくつか気をつけなければならないことがあります。
査定価格に注意
不動産売却の無料一括査定サイトは入力するだけで複数の不動産会社に一斉に価格査定を依頼できる便利なサイトですが、一方依頼を受ける不動産会社側としては、最初から競争相手が複数いることが分かっている状況です。不動産会社はまずは媒介契約を契約しなければなりません。また、依頼者としては少しでも高く査定してくれた会社に依頼してしまいたくなるもの。こうした裏事情から、無料一括サイトを利用した査定価格は、相場よりも1割～2割程高く出されることも多いようです。
特に簡易査定では、主な判断材料が査定価格です。大まかな価格を知るには良いですが、実際に売却を検討している時は、訪問査定を依頼して、査定価格とともに、担当営業マンから査定価格の根拠と売却戦略について聞くようにしましょう。
地方だと不動産会社が登録されていない場合もある
不動産会社は、売却不動産のあるエリアに営業所のある不動産会社でなければなりません。一括査定サイトごとに登録されている不動産会社の中に、売却不動産に営業所のある不動産会社があり、当然その不動産を売却できるだけの力がある必要があります。
従って、不動産売却の一括査定サイトは、中心地であるほど利用価値が高く、地方であるほど活用が難しいと言えるでしょう。
まとめ
不動産売却の無料一括査定サイトは、手間のかかる不動産の価格査定を一度の入力で一括して行える便利なものですが、査定の目的が売却を目的としたものなのか、大まかな相場を知りたいだけなのかによって利用方法が変わってきます。ご自分の状況に合わせてしっかりと有効活用していきましょう。
