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「収入合算」と「ペアローン」~資金計画の前に知っておきたい住宅ローン知識~

「収入合算」と「ペアローン」

収入合算

収入合算とは、自分の収入だけでは返済負担基準から必要な資金を借り入れることができない場合、配偶者あるいは親、子どもの収入を加算することで、借り入れ可能額を増やす方法です。収入合算できる相手の条件や金額については金融機関によって異なります。合算できる金額は合算者の収入の全額から2分の1とするところまで様々です。

住宅金融支援機構と民間金融機関が提携している「フラット35」では、収入合算できる相手、および収入合算できる金額を次のように定めています。

収入合算できる相手

  • 直系親族、配偶者、婚約者または内縁関係にある者
  • 借り入れ申し込み時の年齢が70歳未満
  • 申し込み本人と申し込みした住宅に同居
  • 連帯債務者となることができる

収入合算できる金額

  • 収入合算者の年収の全額まで可能 (ただし、合算額が収入合算者の年収の50%を超える場合、返済期間は次のようになる。最長返済期間=80歳-「申込本人もしくは収入合算者のうち年齢が高い方の申し込み時の年齢(1年未満切り上げ)」
    ※親子リレー返済を利用する場合は、後継者の年齢をもとに算定します。

なお、収入合算者が連帯保証人ではなく連帯債務者となる場合、住宅ローン控除は申し込み本人、合算者ともに受けることができます。

収入合算のメリットとしては借入額を増やせることですが、裏返せば借入金の増加によって将来のリスクが高まることになります。本人の年収は確実にアップしていくことが見込まれるのか、合算者は将来的にも仕事を続けられるのか、このあたりを双方のライフプランでじっくり検討してみる必要があります。

また、本人の借入可能額だけでは必要な資金を手当てすることができない場合、収入合算と似た「ペアローン」で資金を確保するという方法もあります。こちらも検討してみましょう。

ペアローン

ペアローンとは民間金融機関が行っている融資のことで、本人と配偶者(または親、子ども)がそれぞれ自分の収入を基準に住宅ローンを借りるものです。つまり、1軒の家の購入に2人(2つ)の住宅ローンで対応するということになります。

「収入合算」と大きく違う点は、住宅ローンを申し込んだそれぞれが団体信用生命保険に加入する必要があるということです。このため、加入費用はかかりますが、万一どちらか一方が死亡した場合、その一方の借入残高分については団体信用生命保険によって全額返済されることになります。「収入合算」では本人しか団体信用生命保険に入らないので、万一、収入合算者が死亡しても本人が残額をすべて払い続けることになります。

また、ペアローンではそれぞれが住宅ローンの債務者なので、当然ながら双方とも住宅ローン控除を受けることができます。

ペアローンのデメリットは、2つの住宅ローンを別々に設定することになるので、金融機関に支払う融資手数料や印紙代などが二重になることです。

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