この噂本当?「お布団の重ね方で温かさが違う」 お布団の正しい重ね方って?
冬の夜中、たくさんのお布団を重ねて寝ているのに寒さで目が覚めてしまうことってありませんか?情報番組では正しい布団の重ね方ということで毛布を布団の上に重ねる。また、毛布は敷布団の上に敷いてその上に寝るほうが温かい、ということを紹介しています。なるほど!と重ね方を変えてみたものの思ったような暖かさの実感を得られなかった方もいらっしゃるのではありませんか?今回はお布団の種類とその使い方についてです。
もくじ
中綿によって違うお布団の保温力
お布団の保温力は中綿の素材によって変わってきます。
羽毛>羊毛>綿布団>化繊 となります。
まずは、日本でよく使われるお布団の素材別の特徴をご説明していきますね!
羽毛布団
羽毛布団には種類がいっぱい
「うもうぶとん」と呼ばれている掛布団ですが、中身のグレードに気をつけないといけません。まず大きな違いは「羽毛(ダウン)」か「羽根(フェザー)」です。ダウンは水鳥の体に近い部分でたんぽぽの綿毛のような放射状の形をしています。その毛は柔らかく、お布団にした時に傘高く空気をたくさん抱き込むので軽くて暖かいのです。
一方フェザーは羽根の先の方です。平面で、中心に硬い軸が走ってその両横に平面上に羽根毛が生えているので空気は抱き込みませんが、通気性の良さが特徴ですので、枕や夏蒲団に使われます。
使われる水鳥の種類
市場に出回る水鳥の羽毛はグース(ガチョウ)、ダック(アヒル)がほとんどです。ガチョウとアヒルの体の大きさを見るとガチョウのほうが大きいですよね?ですから、グースのほうが取れるダウン1つの大きさも大きくなるためグース・ダウン布団のほうが軽くて暖かいのです。それに、寒い地方で育った水鳥のほうが良質のダウンが取れるので羽毛の産地によっても違うんですね!
羽毛布団購入時は品質表示の確認を
羽毛布団は値段が高ければいい!というわけではありません。もし購入する場合には「ゴールドラベル」といわれる日本羽毛寝具製造協同組合の品質基準に適合しているか、また、ゴールドラベルのかさ高グレードの表示を確認して購入することをお勧めします。
羊毛布団
ウールは身体が発散する水分を吸収し、空気中に放湿させるので、夏の間も湿っぽい感じがありません。またウールは湿気を与えると、自然に熱を出して温かくなります。眠っている間に人の汗を湿気として吸収し温かくなります。繊維の表面にうろこ状のちじれがあるので吸湿、保温性が出るのです。ヨーロッパでは今でも一般的に使われている寝具の原料です。日本では主に敷布団に使われていますが、羊毛掛布団の人気もありますよ!
しかしウールの布団は使ううちにだんだんと固くなってきます。表面のうろこ状が使ううちに絡まりあって硬くなり「フェルト化」してしまうのです。ですから一般的に3-5年で買い替えが必要になります。
綿布団
綿布団は古くから日本で使われてきました。和布団の代表です。木綿の繊維は、中空で天然のよじれを持っています。そのため保温力、吸湿性に優れ日干しをすることにより吸収した湿気を放湿することができます。また、かさ高性を回復する力にも優れていますよ!
しかし、綿の布団って重いですよね。お年を召した方の中にはこの重さがいいとおっしゃる方もいますが、羽毛布団などを使い慣れると、冬に綿のかけ布団は少し重くて息苦しさを感じます。ですから最近は主に敷布団としてお使いになる方が多いです。ただ、綿布団には優れた点があります。うち替え(中の綿を洗浄後、新たに綿を足して仕立て直すこと)をすればいつまでも使えることです。大切に使えば一生モノ!ということでかつては花嫁道具の一つでした。
化繊布団
化繊、ポリエステルの綿のお布団が一般的です。軽くてかさ高性に優れ、耐久性もあります。何より安価で経済的です。しかし、ポリエステルの繊維は殆ど水分を吸いませんし、今までご紹介した素材より保温力が低いです。一方、繊維が固く綿ぼこりが出にくい事、抗菌防ダニ加工が施されている商品もあるので、アレルギー体質の方には人気のお布団です。
お布団は中綿の種類によって重ね方が違う!
冒頭でお布団の重ね方を「暖かくなる」と言われた方法に重ねなおしたのにたいして温かくならなかった。という例を挙げました。これはお布団の種類が違うのにその種類の特徴を無視して重ねなおしたからです。よくテレビで紹介されている「毛布を掛布団の上にかけると暖かい」というのは、羽毛布団に有効な方法なのです。
羽毛布団なら毛布は布団の上
お使いの寝具が羽毛布団なら毛布は布団の上にかけるほうが効果的です。羽毛の特性として体温を感知して膨らみます。膨らむことでより空気を取り込みその空気層で保温力を高めるのです。羽毛布団と体の間に毛布があるとこの効果を得られないので、羽毛布団と体が直接触れている状態が理想なのです。
化繊、羊毛、綿布団なら毛布は布団の下
綿布団は吸湿性があり日本の気候にはよく合っているのですが、冬布団はかなりの重量と厚みがあります。そのほかのお布団も羽毛布団よりはフィット性能が低く、お布団を掛けたときに体と布団の間に隙間ができやすいのです。その隙間を埋めて空気層を作る効果があるので毛布を布団の下に使う方がいいのです。
敷布団も大切です!
お布団を選ぶ時多くの方は掛布団のほうを気にしますが、敷布団も重要なポイントですよ!体温は全身から放出され敷布団の断熱性、放湿性、保温性が高いと快適睡眠につながります。敷布団は多くが化繊やウール、綿です。ウールは使っているうちに「フェルト化」し硬くなります。そうすると保温力、吸湿力は落ちてしまいます。毛布を掛布団の上に使うと保温力、また毛布独特の肌触りなどで布団に入ったときのひんやり感も回避できます。
特徴を考えつつお好みの敷き方を見つけよう!
お布団は素材ごとの特徴で使い方が違うことをご理解頂けたと思います。正しい情報で「ホントに大丈夫?」という疑いは排除できると思いますが、だからといって習慣を変えるのはなかなかに難しいのも事実。とりあえず、暖かくなる方法でお布団の順番を変えていただいてお試ししてそれでも「なんか違う!」と思うようであればご自分が一番気持ちいいと思う方法で敷きなおした方がいいですよ!安眠で一番重要なのはリラックスできること「これがいい!」という方法を見つけて気持ちの良い睡眠につなげてくださいね。