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返済額の増額~購入後も支払い負担は軽減できる~

返済額の増額

購入後に支払い負担を軽減する方法として、住宅ローンの借り入れ条件を変更するというやり方もあります。借り入れ後の収入増などに合わせて返済方法や返済額などを変更するものですが、条件や金融機関によっては変更が難しいケースもあります。ここでは、複雑な手続きなしで行えて、支払い期間の短縮と支払い利息の軽減が図れる「返済額の増額」について取り上げます。

返済額の増額

「返済額の増額」はローンの返済開始後に返済条件を変更し、毎月の返済額を増やすものです。期間短縮型の繰り上げ返済と同じように、返済期間が短縮され、支払い利息も減少します。繰り上げ返済と違うのは、まとまったお金を一度に返済に回すのではなく、毎月継続的に当初の返済金額に一定の金額を上乗せした額を返済していくことです。

たとえば、3000万円を返済期間30年、金利2%で借り、2年後に給料アップで毎月1万円の返済余力が生じたとします。毎月の返済額をそれまでの11万1000円から1万円増やして12万1000円にすると、残りの返済期間が3年短縮され、支払い利息も100万5000円減少します。金利が高ければ、支払い利息の削減効果はもっと大きくなります。

3000万円を返済期間30年で借りて2年後に返済額を増額する場合で、金利が2%および3%のとき、それぞれ1万円増額、2万円増額したケースの増額効果シミュレーションを下記にしてみます。

3000万円を金利2%、期間30年で借り、2年後に返済額を1万円増額

  • 毎月の返済額 11万1000円 → 12万1000円
  • 残りの返済期間 28年 → 25年 (3年短縮)
  • 残りの総返済額 3725万8000円 → 3625万3000円 (100万5000円の減額)

3000万円を金利2%、期間30年で借り、2年後に返済額を2万円増額

  • 毎月の返済額 11万1000円 → 13万1000円
  • 残りの返済期間 28年 → 22年7カ月 (5年5カ月短縮)
  • 残りの総返済額 3725万8000円 → 3545万6000円 (180万2000円の減額)

3000万円を金利3%、期間30年で借り、2年後に返済額を1万円増額

  • 毎月の返済額 12万7000円 → 13万7000円
  • 残りの返済期間 28年 → 24年10カ月 (3年2カ月短縮)
  • 残りの総返済額 4249万8000円 → 4078万1000円 (171万7000円の減額)

3000万円を金利3%、期間30年で借り、2年後に返済額を2万円増額

  • 毎月の返済額 12万7000円 → 14万7000円
  • 残りの返済期間 28年 → 22年5カ月 (5年7カ月短縮)
  • 残りの総返済額 4249万8000円 → 3949万8000円 (300万円の減額)

返済額の増額は、期間短縮型の繰り上げ返済と違って、まとまったお金がなくても毎月の家計にある程度のゆとりが生じてきたら始められるメリットがあります。

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