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生命保険の見直しでローン返済が楽になる!?

生命保険の見直しでローン返済が楽になる!?

相談者:「団信」加入で生命保険の見直しを考えている30代会社員 横尾茂樹さん(仮名、東京都豊島区)

住宅ローンを借りると「団信」(団体信用生命保険)に加入することになるので、家計の見直しの一環として、現在契約している生命保険を見直したいと考えています。注意する点やアドバイスがあれば、お願いします。

回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを

住宅ローンの返済に当たっては、家計の見直しがとても大切です。ムダな出費を省くことで、支払いに余裕が出てきます。家計の見直しの中で、あまり一般的にはなっていませんが、横尾さんが考えている生命保険の見直しは重要項目だと思います。生命保険を見直すチャンスと言ってもいいでしょう。

まず、「団信」(団体信用生命保険)について少し触れておきます。団信は、住宅ローンを借りている人が万一、死亡したり高度障害となった場合に、生命保険会社が代わりにローンの残額を支払ってくれる保険です。残された家族はローンの返済なしに安心して住み続けることができます。

民間金融機関のローンでは原則として加入が義務付けられています。保険料は金利の中にあらかじめ含まれているので、別途支払う必要はありません。「フラット35」の場合は任意加入ですが、多くの人が機構指定の「機構団体信用生命保険特約制度」に加入しています。加入する場合は別途、特約料(保険料)が必要となります。

もちろん、万一のとき団信が支払ってくれるのはローンの残債だけで、そのほかに保険金が出るわけではありません。残された家族は生活費や教育費などを工面していく必要があります。このため、団信に入るからといって、通常の生命保険を全くやめてしまっていいということにはなりません。

ただ、少なくとも生活費の中で住居費はかからないことになります。この分、通常の生命保険の死亡保障を減らしてもいいのではないでしょうか。仮にこれまでの家賃が月8万円で、住居費=8万円として大雑把に計算してみましょう。1年間で住居費が8×12=96万円必要なくなるということになります。仮に今後20年という期間で考えると96×20=1920万円分だけ必要なくなり、死亡保障も1920万円減らせる計算。現在入っている生命保険の死亡保障(保険金)が3000万円なら約3分の1に減らせることになります。特約なしの通常の終身保険タイプだと、毎月の保険料も3分の1に軽減できます。この分、ローンの返済に回せるということになります。

もちろん、実際に必要な死亡保障を考えるにあたっては、妻など残された家族の実際の生活費、収入、死亡退職金、遺族年金、家族のライフイベントなどを総合的に勘案する必要があります。

現在、生命保険料を毎月2万円ほど払っているので、仮に3分の1に減らせることができれば、ローンの返済が楽になります。ただ、団信は病気やケガで仕事ができなくなったときの保証まではしてくれないんですよね。

通常の団信が保証するのは死亡と高度障害の場合だけですが、最近は所定の疾病保険を付加した団信も多くなっています。これは、死亡・高度障害時だけでなく、所定の病気になったり、病気が原因で就業不能状態になったときにも保険でローンの残債を支払ってくれるものです。

保険料は金融機関によって異なり、金融機関の負担で無料にするところ、通常の金利に上乗せするところがあります。一般的な3大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)保険付きでは金利に0.3%上乗せするところが多くなっています。現在加入されている生命保険が疾病保険付きのものであれば、この点も合わせて見直されてみてはどうでしょうか。

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