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不動産売却にかかる費用はいくら?「諸経費や手数料など」

18_不動産売却にかかる費用はいくら?「諸経費や手数料など」

不動産の売却には、仲介手数料や登記費用などの諸費用とよばれる経費が発生します。物件によっては予想以上に多くの金額が必要な場合もあるので、事前にどの程度の費用がかかるのか把握しておきましょう。

不動産の売却にかかる費用の内訳

不動産の売却時には、

  • 印紙税
  • 仲介手数料
  • 登記費用
  • 住宅ローンの完済費用
  • 譲渡所得税

といった費用がかかります。順番に見ていきましょう。

印紙税

不動産の売買契約書には印紙を貼る必要があります。不動産の売買契約書は、多くが売主用と買主用を作成し、それぞれが印紙を貼ることになります。不動産の売買契約書に貼る印紙は、契約金額毎に定められています。

契約金額 本則税率 軽減税率
10万を超え 50万円以下 400円 200円
50万円を超え 100万円以下 1千円 500円
100万円を超え 500万円以下 2千円 1千円
500万円を超え 1千万円以下 1万円 5千円
1千万円を超え 5千万円以下 2万円 1万円
5千万円を超え 1億円以下 6万円 3万円
1億円を超え 5億円以下 10万円 6万円
5億円を超え 10億円以下 20万円 16万円
10億円を超え 50億円以下 40万円 32万円
50億円を超えるもの 60万円 48万円

平成26年4月1日から平成30年3月31日までの間に作成された売買契約書は、軽減措置を受けられます。

仲介手数料

不動産の売却を、不動産業者に依頼して行い、不動産業者によって売買が成立した場合は仲介手数料を支払う必要があります。不動産の仲介手数料は、金額毎にその上限が定められています。

契約金額 仲介手数料の上限
200万円以下 契約金額の5%+消費税
200万円を超え400万円以下 契約金額の4%+2万円+消費税
400万円を超える 契約金額の3%+6万円+消費税

なお、この金額はあくまでも上限のため必ずこの金額を支払うわけではありません。また、仲介手数料は成功報酬であり、売買が成約するまで広告費等の費用を支払う必要はありません。

登記費用

不動産売却時に支払う登記費用の主なものは、抵当権抹消費用と住所変更登記費用です。

抵当権抹消費用

売却する不動産を、住宅ローンを組んで購入していた場合にかかる費用です。司法書士に依頼した場合にかかる司法書士報酬と、登記申請時に国に納める登録免許税があり、登録免許税は不動産の個数×1,000円。司法書士報酬は司法書士により異なりますが、1万円前後としているところが多いようです。

住所変更登記費用

登記簿謄本に記載されている自分の住所が現在のものと異なる場合に支払います。こちらも司法書士報酬と登録免許税に分かれており、登録免許税は不動産の個数×1,000円、司法書士報酬は1万円前後が相場のようです。

住宅ローンの完済費用

住宅ローンの完済を行う場合に金融機関に支払う手数料です。金融機関によって異なるので金融機関の担当者に確認しましょう。この際、保証料を支払っていた場合や団体信用生命保険の払い込みをしていた場合には返戻金がある場合があります。

譲渡所得税

不動産を売却して得た売却益には税金がかかります。

長期譲渡所得 短期譲渡所得
所有期間 5年超 5年以下
税率(所得税・住民税) 20.315% 39.63%

譲渡所得税の計算においては、売却した不動産を取得した額やその時の費用、売却したときの費用を計上することができます。また、マイホームを売却する場合には特別控除を受けられる特例もあります。

仲介手数用の値引きは出来るの?交渉のコツ

仲介手数料は、すでにご紹介したように、契約金額毎に上限が定められています。しかし、この金額はあくまでも上限額です。最初に交渉することにより、仲介手数料を抑えることもできます。

不動産会社の視点で仲介手数料の仕組みを考える

まず、仲介手数料は成功報酬のため、不動産会社は不動産売買契約が成立しなければ報酬を得ることはありません。つまり、仲介手数料は不動産仲介をメインにしている不動産会社にとって唯一の飯の種なのです。このことはしっかりと理解しておく必要があります。

しかし、最近では仲介手数料無料という広告も見かけます。こうした不動産会社はどのように仲介手数料無料を実現しているのでしょうか?

仲介手数料無料のカラクリ

不動産の売買には売主と買主が存在します。不動産会社は売主と買主、それぞれから仲介手数料を得られる可能性があります。こうした場合に、一方から仲介手数料を得ることによって、一方の仲介手数料を無料とする方法をとっている会社もあります。

例えば、一方が不動産業者の場合の不動産売買では、不動産業者から仲介手数料をとって、個人の分を無料とする方法があります。また、売主と買主双方が個人の場合には、双方半額とする場合もあります。逆に、売主と買主それぞれに不動産仲介業者がつく場合があります。この場合には仲介手数料を無料とすることは難しくなります。

仲介手数料値引きの交渉のコツ

以上のことから、仲介手数料の値引き交渉を行う場合には、買主が個人かどうか、買主に別の不動産仲介業者がついているかどうか確認しましょう。買主が不動産業者の場合には、その旨を伝えて、仲介手数料の値引きを条件とできる可能性もあります。また、買主に別の不動産仲介業者がついていない場合には、半額にするなどの値引き交渉が成功する可能性もあります。

値引き交渉は最初に行うこと

先にお伝えしたように、仲介手数料は不動産会社にとって飯の種となるものです。頑張って成約した売買契約の報酬を土壇場で値切られるような行為は、到底受け入れられるものではないでしょう。仲介手数料の値引きをお願いする場合には媒介契約を結ぶ前に行います。

当然、媒介契約時には買主が個人かどうかも、買主に不動産仲介業者がついているかどうかも分かりません。媒介契約時には、もし、買主が不動産業者の場合には、もしくは仲介業者がついていない場合には値引きしてもらえないか、と交渉する方法がおすすめです。

まとめ

不動産の売却時にはいくつかの費用がかかりますが、この中で特に大きいのが仲介手数料と譲渡所得税です。仲介手数料と譲渡所得税は事前に計算することである程度把握することができます。また、最近では仲介手数料無料や半額としている不動産会社も存在します。不動産の仲介を依頼する前に仲介手数料について確認しておくと良いでしょう。

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