家みつ

子どものサポートが受けられる住宅ローンを教えて!

子どものサポートが受けられる住宅ローンを教えて!

相談者:子どものサポートで家の建て替えをしたい50代会社員 鎌田実さん(府中市)

自宅の建て替えをしたいのですが、定年まであと10年。将来ローンを返済できるかどうか心配です。今後同居する可能性のある長男の支援を受けたいと思うのですが、子どものサポートを受けられるいい方法はありますか?ネットで調べていたら「親孝行ローン」という言葉もありました。

回答者:ファイナンシャルプランナー 家塚みつを

「親孝行ローン」については、多くのサイトが今も利用できるような書き方をしていますが、これは誤りです。注意してください。

「親孝行ローン」は、住宅金融支援機構が住宅金融公庫時代に行なっていた「本人が居住しなくてもいい親族居住型住宅ローン」のことで、現在は自然災害の被災住宅に限定した特別融資として続けられているだけで、一般の人は利用できません。

名称は異なりますが、民間金融機関の中で、子どもが親孝行として親に建て替えやリフォームをプレゼントする場合の支援として、子どもに対して融資を行うところもあります。名称や融資条件は金融機関によって異なりますが、たとえばスルガ銀行では”ホームローン夢舞台「親孝行応援型」”という商品名で取り扱っています。

また、住宅金融支援機構と民間金融機関が提携する「フラット35」では、親孝行ローンというような特別な名称はありませんが、申込人の両親や子どもが住む「親族居住用住宅」を建設・購入する場合も融資を受けることができます。親が居住する住宅の場合は、申込人または配偶者の父母、祖父母の住まいが対象になり、融資条件は本人が住む住宅の場合と一緒です。ただ、「フラット35」を取り扱っている金融機関の中でも、「親族居住用住宅」に対応していないところもあるので、事前に問い合わせることが必要です。

なるほど。ただ、これだと子どもに100%返済負担がかかることになりますよね。うちの息子、そこまでは面倒見てくれません(笑)。

そういう場合、「フラット35」には「親子リレー返済」という制度もあります。将来、子どもが同居したり、住み継ぐ可能性がある場合はおススメできます。

親子リレー返済は「承継償還制度」とも言われるもので、親が借りた住宅ローンを将来的に子どもが引き継いで返済していく制度です。この制度のメリットは、親がリタイアした後を子どもがサポートできることで、具体的には①70歳以上でも「フラット35」を申し込める(通常は70歳未満)、②借入期間も後継者の申し込み時の年齢を基に設定できる、という点です。たとえば、本人の年齢がいくつであろうと、仮に後継者となる子どもが45歳以下であれば最長の35年間の借入期間にすることができます(80歳-45歳=35年)。

「後継者」の要件としては、①申し込み本人の直系卑属(子、孫)またはその配偶者で定期的収入があること、②借り入れ申し込み時の年齢が70歳未満、③連帯債務者になることができる、この3点をすべて満たすことで、必ずしも親と同居している必要はありません。また、本人と後継者の間の負担割合や返済を引き継ぐ時期については自由に決めることができます。

民間のローンで「親子リレー返済」と同じようのものはありますか?

高齢の親を子どもがサポートできるローンとして、民間金融機関では「親子ペアローン」と呼ばれるサービスを提供しているところがあります。これは3000万円の借り入れが必要な場合、たとえば親が1000万円、子どもが2000万円をそれぞれ申し込み本人となって借り、お互いに連帯保証人となるものです。金融機関によって名称や融資条件が異なりますが、りそな銀行では現在同居しているか、または将来同居を予定している親子を対象に、「りそな住宅ローン・親子2世代型」という名称で扱っています。

わかりました。二世帯住宅の是非も含め、長男とよく話し合ってみたいと思います。

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